私は、2021年3月初旬に、乳腺外科のクリニックに定期健診として受診しました。
そこで、精密検査になり、病院で組織診をした結果、4月初旬に「乳がん」と告知をうけました。
そこから、運よく前倒しとなって4月末に手術することができ、5月初旬に退院。
今に至ります。
ここから、私がなぜ乳がんの遺伝子検査を受けることになったのか、
また乳がんの遺伝子検査とはどういったものなのか、
くわしくお話していきたいと思います。
今から遺伝子検査を受けるか悩まれている方、親族に乳がん罹患者がいて色々気になる方などの参考になれば幸いです。
乳がんの遺伝子検査を受けることになったきっかけ
実際、2021年4月の段階で、私は36歳。
まさかの30代での乳がん患者になってしまいました。
正直、こんな若くに乳がんになるとは…
遺伝子的に大丈夫なんだろうか…
そう思っていた時に、
私の手術をした担当医から、
というお話をいただきました。
正直、こんな若くに乳がんになるなんて、遺伝子が関わっているかもしれない…
子供への遺伝が気になる…
私の親は大丈夫だろうか…
そんなことが頭をよぎりましたが、
今後自分や家族の疾患を早めに防ぐことだって可能かもしれないし…
そう考え方を変えると、遺伝子検査は「受ける」という一択しかありませんでした。
正直、30代でまだまだ子供小さいし、今後子供のそばで大人になるまではそばにいてあげたいし、旦那との未来も考えていきたい…
そう考えていたので…
けれども、この検査を受けるのは、保険適応でも結構な金額になるので、
その人その人によって、受ける受けないの選択肢に違いはあるかと思います。
乳がんの遺伝子検査とは?
乳がんの遺伝子検査とは、HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)に関して調べる検査です。
検査内容は、ただ採血をして調べるだけです。
がん全体の5-10%は遺伝子要因がつよく関係して発症する遺伝子腫瘍と言われています。
その中の1つが、HBOCにあたります。
HBOCの人は、BRCA1/2遺伝子(生殖細胞系列の遺伝子)に生まれつきの変異があります。(つまりBRCA1遺伝子、もしくはBRCA2遺伝子のどちらかに病的変異がある場合にHBOCと診断されます)
そしてHBOCの人は、乳がん・卵巣がん・前立腺がん・すい臓がんに対してリスクが高くなると言われています。
ただ、この遺伝子検査で分かるのは、BRCA1/2遺伝子の変異のみ。
すべての遺伝子の異常があるのが分かるわけではありません。
引用元→HBOC 診療の手引き 2017年度版(改訂版)より
参考文献
遺伝子検査で分かることは?
つまり、遺伝子検査で、もしBRCA1/2遺伝子に変異があると分かれば、
この検査では、今後再度「乳がん・卵巣がん」になりやすさが分かる。
→さらには、私の血縁者がなんかしらの「がん」になりやすさも分かり、今後「がんの早期発見」につなげることができる。
ということ。
遺伝子検査にかかる費用は??
およそ、3割負担で自己負担は6万円ほど。
私はその当時、高額療養費制度を利用していました。
なので、その他の検査(組織診、MRI、CTなど)もその月で実施していたために、自己負担金額はそこまでではなかったです。
高額療養費制度!!
本当にありがたいです!!
とりあえず、今から治療費、入院費がかさむのでは??
というときは、かならず申請するようにしましょう!!
月の負担額が決まっているというのは、金銭的不安はかなり減りますので!!
高額療養費制度に関して、詳しくは↓
2020年4月からは、要件を満たせば、健康保険で遺伝学的検査を受けられることになりました。
遺伝子検査に健康保険が適用されるのは、乳がんと診断された人のうち、下記の要件に1つでも当てはまる場合です。
・45歳以下の乳がん発症
・60歳以下でトリプルネガティブタイプの乳がんを発症
・2個以上の原発性乳がん(再発は含めない)
・3親等以内に乳がんや卵巣がんを発症した血縁者がいる
・卵巣がん、卵管がんおよび腹膜がんを発症
・男性乳がん
健康保険が適用されれば、3割負担の方で遺伝学的検査を6万円程度で受けることができます。
もし、遺伝子の変異がアリとなった場合は、
保険適応でリスク低減手術を受けることが可能になりました。
リスク低減手術とは:まだがんを発症していない反対側の乳房や卵巣も、手術で予防的に切除する手術のこと。海外ではアンジェリーナ・ジョリーさんが受けたことで話題になった手術です。
恐怖!まさかの1/2の確率で遺伝する?!
私が、この遺伝子検査の詳細を見て、衝撃的だったのが
BRCA1/2遺伝子の変異が受け継がれる確率は常に1/2だということ!!
つまりは、私がBRCA1/2遺伝子の変異を持っていた場合、常に子供には1/2という高確率で遺伝が引き継がれていくということでした。
これは、代々引き継がれていっても1/2の確率だそうです。
恐怖ですよね…
私の立場としては、大事な子供の将来のがんのリスクも調べることができると考えました。
もし、私自身がその遺伝子を持っていたとしても、この結果をきちんと受け止めて
私自身は子供の未来も、守ってあげたいです。
そして、私の遺伝子検査の結果は?
そして、遺伝子検査の結果、BRCA1/2遺伝子の変異は「ない」ということが、分かりました!!
結果は施設にもよりますが、私の受診した病院では4週間くらいかかりました。
私自身もホッとしましたし、私の親もホッとしてました。
なかなか、遺伝子検査をする機会がないので、家族にとっては緊張感のある検査でした。
ある意味、遺伝子検査は自身の家族を調べることでもあるので、考え方によってはなかなかすごい検査ですよね。
遺伝子検査をしてよかった?
私は、受けて「よかった」と考えています。
もし、遺伝子があるとなったときも、卵巣がん、乳がんに対してよりきちんと定期健診を受けようと思えます。
そして、子供の疾患のリスクも今後注意&注意喚起していけるので。
自分と、自分の子供の将来を守っていくために、
個人的には、遺伝子検査を受ける意味はあると断言します!!
ただ、年齢的には結構な金額をかけてまで調べる必要がある人か、そうでないかは変わってきます。
でも、もし保険適応で受けれるチャンスがあるなら、私は受ける価値はあると考えています!!
さいごに
個人的には、もしこの遺伝子検査を受けるチャンスがあるならぜひ受けて欲しいと思っています。
この記事は、私のように30代ー40代と若い段階で、「乳がん」が判明した方が、少しでも前向きに自分の体と向き合ってもらえたらと思い、書きました。
「乳がん」が発覚して、しばらくは
家族のこと、仕事のこと、将来のこと、きっと色々と悩むと思います。
私も、小さい子供かかえる30代後半のワーママです。
告知を受けた時は、家族の見えないところで、夜泣いて泣いて寝れないこともありました。
でも、いずれかは向き合って前に進んでいかなくてはなりません。
そんな方の一歩を踏み出すために、背中を押すことが出来たなら、この記事を書いた意味があります。
前向きに自分の体と向き合い、今ある時間をもっと大事に生きていきたいです。
「乳がん」になったことで、ある意味人生を考えさせられるきっかけを与えられたともとらえています。
皆さん、今ある時間を大事に生きていきましょう!!!
この記事を、さいごまで見ていただきありがとうございました。